音楽はいつも一緒に
「あんた、なんでそんなに眠そうなの?」

 朝、制服を着て荷物を持って朝食を求めにリビングに行った瞬間、私の顔を見たお姉ちゃんに言われた。

「ちょっと……眠れなくて」

「なに? なんか興奮でもしてたわけ?」

「えっと……まあ、いろいろと」

 なんとなくうとうとし始めたと思ったら、外は明るさを持ち始めていた。

 結局、眠りと意識の半分くらいのところを行き来しているだけで、深い睡眠に入ることができなかった。

 でも、こうして制服を着てあと数十分で家を出ようとしている今、眠気よりも期待のほうが勝っている。

 多分、いや、絶対に松田くんでいるのは間違いないはずだけど、それでもその姿をこの目で確認するまでは心の石がずっと落ちない。

 いつもより早めに朝食を食べ、歯を磨き、よしっと頬を叩いて気合を入れて家を出た。

「はあ、やばい」

 心の声が、口から出る。

 はやる気持ちをおさえて、きゅっと口元に力を入れて一歩一歩着実に学校へと向かう。
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