LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
医者は、成瀬の容態をもっと詳しく話してくれた。
今夜、降り積もっていた雪がクッションとなり、
一命を取り留めたのだと。
ただ、それでも頭を強く打ち、
折れた肋骨が肺へと刺さっていて、
とても危険な状態ではあると。
今、成瀬は集中治療室に居るらしく。
「ご家族の方だけ、外から見る事は出来ます。
まだ意識は戻らないですが、容態の方が、安定して来ました」
そう言われたのは、その医師が立ち去ってから、数時間後。
そう言った女性の看護師に促され、
なっちゃんはその集中治療室に向かう際に、
私の方を見た。
「…成瀬さんの意識が戻ったら、
連絡下さい。
私、一度家に戻らないといけないので」
その看護師さんの表情が明るくて、
もう大丈夫だとは言ってくれないけど、
成瀬はもう大丈夫なのだと分かった。
そう安心すると、思い出したのはナツキの事。
私はスマホも腕時計も忘れて、
今が何時なのか分からない。
「分かった。
直ぐに広子ちゃんに連絡するから。
本当に、ごめんね。
広子ちゃんには色々と遥が迷惑掛けて…」
なっちゃんは、私の手を握る。
その手は、私より少し小さくて、
そうやって握られると、とても安心した。
そして、なんとなくだけど。
この人は、気付いているような気がした。
私が成瀬の本当の恋人ではないのだと。
「すみません。紙とペン貸して下さい」
私はその看護師さんにそう言い、
自分の携帯番号を書き、それをなっちゃんに渡すと、
病院を後にした。
今夜、降り積もっていた雪がクッションとなり、
一命を取り留めたのだと。
ただ、それでも頭を強く打ち、
折れた肋骨が肺へと刺さっていて、
とても危険な状態ではあると。
今、成瀬は集中治療室に居るらしく。
「ご家族の方だけ、外から見る事は出来ます。
まだ意識は戻らないですが、容態の方が、安定して来ました」
そう言われたのは、その医師が立ち去ってから、数時間後。
そう言った女性の看護師に促され、
なっちゃんはその集中治療室に向かう際に、
私の方を見た。
「…成瀬さんの意識が戻ったら、
連絡下さい。
私、一度家に戻らないといけないので」
その看護師さんの表情が明るくて、
もう大丈夫だとは言ってくれないけど、
成瀬はもう大丈夫なのだと分かった。
そう安心すると、思い出したのはナツキの事。
私はスマホも腕時計も忘れて、
今が何時なのか分からない。
「分かった。
直ぐに広子ちゃんに連絡するから。
本当に、ごめんね。
広子ちゃんには色々と遥が迷惑掛けて…」
なっちゃんは、私の手を握る。
その手は、私より少し小さくて、
そうやって握られると、とても安心した。
そして、なんとなくだけど。
この人は、気付いているような気がした。
私が成瀬の本当の恋人ではないのだと。
「すみません。紙とペン貸して下さい」
私はその看護師さんにそう言い、
自分の携帯番号を書き、それをなっちゃんに渡すと、
病院を後にした。