LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「広子も食べる。
多めに買って来たから。
で、最後に、一緒にケーキ食べない?」
「別れるって、なんで?」
突然、ナツキにそう言われて、
頭が追い付かない。
「俺が冷めたから」
座れば、とナツキは私をそう促す。
私はナツキから少し距離を開けて、ソファーに座った。
「別にもう別れても俺は大丈夫だから」
サンドウィッチを咀嚼しながら、
そう話す感じは、本当に私の事なんてどうでもよさそうで。
「けど、前に篤の事でナツキと…。
あの時も今みたいに平然としてたけど、
その後、死のうとしたじゃない」
その時は付き合って無かったので、
別れた、と言っていいのか、分からなくて、曖昧な言い方になる。
「んー。篤君の時は、凄いショックだった。
俺は篤君には、勝てないだろうなって」
「成瀬さんには、勝てるって事?」
そう言う事?
なら、逆に別れなくてよくない?
ナツキの言いたい事が、よく分からない。
「俺が成瀬さんに勝ってるとかじゃなくて…」
ナツキは話しにくいからか、
一緒に買っていたパックのコーヒー牛乳のストローに口を付けて、飲んでいる。
「篤君の時と違って、夕べ、まだ成瀬さんを、って言ってる広子を見てたら、
本当にこいつ馬鹿なんじゃないかって。
なんであんな男の事をそうやって、まだ追いかけるんだろうって。
そんな広子が凄く醜く見えて…。
そんな醜い広子の姿が、自分に重なって見えた。
こんな女を好きだとか言って必死になってる俺は、まるで広子と一緒だって。
そう気付いたら、スーと冷めた」
そう言われて、その言葉がストンと胸に入る。
そうなんだ、って。
そして、それが凄く分かってしまった。
私を追いかけるナツキの姿が、
まるで成瀬を追いかける私そのもの。
多めに買って来たから。
で、最後に、一緒にケーキ食べない?」
「別れるって、なんで?」
突然、ナツキにそう言われて、
頭が追い付かない。
「俺が冷めたから」
座れば、とナツキは私をそう促す。
私はナツキから少し距離を開けて、ソファーに座った。
「別にもう別れても俺は大丈夫だから」
サンドウィッチを咀嚼しながら、
そう話す感じは、本当に私の事なんてどうでもよさそうで。
「けど、前に篤の事でナツキと…。
あの時も今みたいに平然としてたけど、
その後、死のうとしたじゃない」
その時は付き合って無かったので、
別れた、と言っていいのか、分からなくて、曖昧な言い方になる。
「んー。篤君の時は、凄いショックだった。
俺は篤君には、勝てないだろうなって」
「成瀬さんには、勝てるって事?」
そう言う事?
なら、逆に別れなくてよくない?
ナツキの言いたい事が、よく分からない。
「俺が成瀬さんに勝ってるとかじゃなくて…」
ナツキは話しにくいからか、
一緒に買っていたパックのコーヒー牛乳のストローに口を付けて、飲んでいる。
「篤君の時と違って、夕べ、まだ成瀬さんを、って言ってる広子を見てたら、
本当にこいつ馬鹿なんじゃないかって。
なんであんな男の事をそうやって、まだ追いかけるんだろうって。
そんな広子が凄く醜く見えて…。
そんな醜い広子の姿が、自分に重なって見えた。
こんな女を好きだとか言って必死になってる俺は、まるで広子と一緒だって。
そう気付いたら、スーと冷めた」
そう言われて、その言葉がストンと胸に入る。
そうなんだ、って。
そして、それが凄く分かってしまった。
私を追いかけるナツキの姿が、
まるで成瀬を追いかける私そのもの。