LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
成瀬は、その大きな部屋の、
一番奥のベッドに居た。


「…成瀬さん?」


そのベッドに近づきそう声を掛けると、
閉じていた目を開いて、私を見た。



「起こしました?」



「いや。
する事ないから、目瞑ってただけ」



「大丈夫ですか?」



私は、その痛々しい成瀬の姿に目を向けた。


頭もそうだけど、
全身包帯だらけ。


心電図もまだ付けられている。


「大丈夫に、見えるか?
すげぇ、いてぇ」


そう言って笑っていて、
それに安心してしまった。



私は成瀬のベッドの横にあったスツールに座る。


「さっきなっちゃんから聞いたけど、
お前、あの後、俺に付き添って一緒に救急車乗ってくれたって…。
ナツキは大丈夫なのか?」


そう訊かれ、本当の事を言うかどうか迷ったけど。



「ナツキとは、別れました。

けど、その事が原因じゃないですよ」


もし、クリスマスイブに成瀬から電話が無ければ、
私とナツキはまだ一緒に居たと思う。


でも、私とナツキの関係はずっと終わっていて。


今回の成瀬の事で、やっと終わらせる事が出来た。


それはとてもいい形で。

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