LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「ってか、篤なんで知ってんの?
俺がここに入院して、今日退院すんの?」


そうか。


今、成瀬と篤は交流がないから、
誰かからそれを聞かないと、
成瀬の入院を知らないはず。


「成瀬さんの兄貴の、和真さんから…」


何処か言いにくそうに、篤は口にする。


「ああー、なるほど。
多分、なっちゃん俺の父親に俺が入院してる事連絡したんだろうな。

見舞いは来なかったけど。
で、父親から和真さんに、伝わったって感じか…」


成瀬はなんて事ないように話しているけど、
成瀬の父親は、成瀬の今回の事を知っててもお見舞いに来ないんだ。


なんだか、許せない。



「和真さん…成瀬さんに凄く申し訳なく思っていて。
成瀬さんに会わす顔がないからって、今日は来なかったっすけど…。
だから…」


成瀬を恨んでいた和真さん。


私は以前あのマンションの前で、あの人に会い。


私が過呼吸を起こして心配してくれた、
あの人の事を覚えている。


その時、和真さんが良い人なのだと気付いて。


だからか、今回篤を使って和真さんが、と聞いても、
和真さんに対して憎い気持ちがあまり湧かなかった。

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