LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「和真さんに言っといて。
いつか、兄弟で飯でも行こうって。
いつか、きっと…」


いつか、きっと。


そんな日が来るといいな。




「じゃあ、篤。
俺ら行くわ」


成瀬はゆっくりと、歩き出す。


篤の横を通り過ぎて。



私はまだ、篤の前から動けないでいる。



「広子、またいつでも花子に会いに来い。
成瀬さんと一緒に」


「うん」


「じゃあな」


「うん…」


私は、篤の横を通り過ぎて、成瀬を追った。


篤の事は本当に大好きだったけど、
きっとこの人とは縁がなかったのだろうと思った。


それなのに、ほんの少しの間でも篤の横に居られた事は、
ちょっとした奇跡みたいなものだったのかもしれない。



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