LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「良かったのか?
今ならまだ、篤の所に戻れるぞ」


追い付いた私に、成瀬はそう言う。


わざと、私と篤を二人っきりにしてくれたんだ。



「だって、もし私と篤がよりを戻したら、
また成瀬さんに邪魔されそうな気がするし」



「それは、あり得る」


そう笑うこの人は、とても自分勝手だから。



「私にとって、篤は高嶺の花で。

成瀬さんみたいなのが、私にはちょうどいいんです」


「なんだ、それ。
それより、俺今日誕生日だけど、プレゼントないの?」


「ありますよ。

ただ、退院時に荷物になると思って、今日持って来てないんです。
なので、明日渡します」


「は?なんだそれ?」


そう言って成瀬は、笑っている。


その顔を見てると、面倒だけど後で一度家に戻って、
そのプレゼントを取りに行こうかな?


と、思った。


やっぱり、誕生日の今日にあげよう。


その、とっておきの誕生日プレゼントを。
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