LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
ナツキは私服だったモモさんとは違い、
青い病衣を着ている。


腕に点滴も刺さっている。



「なんで自殺なんて…」


私がそう言うと、ナツキは小さく笑った。


「なんでって…。
お前のせいだよ」


そこまでハッキリと言われるとは思わなくて、
返す言葉が出て来ない。


「ごちゃごちゃ考えずに、広子は俺の事を好きになれば良かったのに。
んで、後から現れた篤君を好きだとか、ほんと意味わかんない。
いや、後から現れたのは、俺の方なのかな。
どっちでもいいけど」


ナツキは笑いながらも、その顔はとても悲しく泣いているように見える。



「お前と居て、ずっと苦しかった。
お前に好きだって言えない事が。
俺が一回でもそう口にしたら、この関係が終わるんだって。
ずっと怖かった。
いつお前に、俺の事いらないって言われんのか。

もうそんなのが嫌で、俺から終わらせたけど…」


ナツキの目から、涙が溢れてそれが流れ落ちて。


初めてこの人の泣いている姿を見て、
私がどれだけこの人を傷付けていたのか思い知った。


私が知っているナツキは、いつも余裕があって、なんでもお見通しで。


最後迄、私はこの人の手のひらで転がされていたんだ、と思っていたのに。


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