LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました



「だから、なんで俺が甘いの嫌いなの知ってて、こんなデカイケーキ買ってくんだよ?」


夕食後、テーブルに載せたそのケーキに、
篤は眉間を寄せている。


その生クリームと苺たっぷりのそのホールケーキは、
いつか涼雅が私の誕生日に買って来てくれた物と、見た目も大きさもそっくり。


そのケーキの真ん中の、あつしくんおたんじょうびおめでとう、と書かれたチョコレートのプレートを見て、
篤は照れ臭そうに笑う。



「俺、カレーけっこう食ったから、あんま食えねぇぞ」


今日の夕食は、カレーにした。


それは、篤はカレーが一番の好物だから。


そのカレーに、これも篤が大好きなハンバーグを載せた、
ハンバーグカレーにした。


篤はそのカレーを、おかわりもして、沢山食べてくれた。



篤と今日で最後だと思うと、
篤との毎日が本当に私は幸せだったのだと、思った。


正直、篤と別れるというその決断の意志が、何度も揺らいだ。

今も、ぐらぐらと。

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