LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
朝、目覚めると、私は裸のまま篤に抱き締められていた。


体中に残る、篤の感覚。


最近、昼夜逆転している私だけど、

篤に抱き締められたまま、そのまま眠ってしまったみたい。


あ、と思い、脱いだパジャマを着て、
リビングへと行く。



テーブルの上には、ケーキが出したまま。


幸い、花子は人の食べ物に興味がないからか、
特にそれを食べる事も、それで遊ぶ事もしていない。


ニャーと、嬉しそうに私の足にすり寄って来る。


ケーキはその生クリームが溶けていて、
見るも無惨な姿になっている。


それを見て私が立ちすくんでいると、
篤がリビングへとやって来た。


暑がりな篤は、まだ朝は肌寒いこの季節でも、短パンとTシャツ姿。



「あー、ぐちゃぐちゃだな。
もう食えねぇか?」


「別に、篤は甘い物嫌いだし、
いいじゃない?
捨てるね」


ケーキを持とうとする私の腕を、
篤が掴んだ。



「お前が買って来たケーキが無駄になったのは悪いと思ってるけど、
んな、苛つく事か?
それに、捨てる前に一口くらい食うつもりだしよ」

私はその手を、振り払った。


篤と、別れる為に。

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