LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「冷めたの。
夕べ、篤とヤッたら」

私のその言葉に、篤は口を閉ざして、
私を見ている。


「ほら、前にマリンさんが篤とのセックスが凄く良かったって言ってたから、篤とするのに興味があっただけなのかも。
けど、実際してみたら、別に普通だし。

それ以上に、今まで私の体目当てで近付いて来て、私を抱いた男達と同じで、
なんか気持ち悪いって思ったの」


その言葉の途中から、もう私は篤の顔が見る事が出来なくて、
気付くと足元を見ていた。


そうやって顔を下げていると、
涙が出そうになるけど、泣いてはいけないと、必死でそれを耐える。



「だったら、出て行け」


その言われて辛いと感じるこの言葉を聞いて、もうこれ以上篤を傷付ける言葉を言わなくていいのだと、
ホッとしていた。


「言われなくても、出て行く」



「俺が先に出て行くから、その間に此処から居なくなってろ」



篤は自分の部屋へと行き、財布か何かを持って、

私達の部屋から出て行った。


目の前には、テーブルの上の無惨な姿のバースデーケーキ。


朝、起きて来てこのケーキを見た瞬間に、
夢から覚めたようだった。


もう幸せな時間は終わったのだと、
魔法が解けたみたいだった。


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