LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
私はそのアパートの部屋の鍵を閉めると、
鍵はドアに付いているポストへと落とした。


大きな鞄やエコバッグなどに、
入るだけ服等を詰め込んだ。


その大量の荷物を持ち、歩き始めると、



「持ってやろうか?」


聞き覚えのあるその声の人物に、驚いて目を向けた。


そこには成瀬が立っていて、近くにアルファロメオが停まっている。


「成瀬さん、なんで…」


「いや、ま、出社途中だったんだけど。
多分、お前が篤と別れるなら、アイツの誕生日の後かと思って、なんか気になって来てみたんだが…」




成瀬は篤の誕生日を、そうやって覚えているんだ。



二人、本当に仲良かったもんな。


「ちょうど良かったです。
私見ての通り、荷物一杯で。
この荷物と一緒に、ナツキの部屋迄送って下さいよ。
あ、でも、成瀬さん、仕事行かない…と…」


笑っていたはずなのに、気付いたらそれは涙に変わり、私の目から溢れ出て来る。


私の頭を、そんな成瀬は慰めるように撫でてくれる。



「そういう事かよ」


その声に、私は顔を上げた。


振り返ると、そこには篤が立っていた。


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