LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
成瀬に、ナツキの住むマンションの下迄送って貰った。


久しぶり訪れた、この場所。


合鍵で、ナツキの部屋へと入る。



ナツキは部屋着のまま、ソファに寝転んでいた。


こんな朝早くからナツキが起きている事は珍しい。


もしかしたら、眠っていないのかもしれない。


「ただいま」


リビングに入り、私はナツキに声を掛けた。


ナツキはゆっくりと体を起こし、
感情の宿らない目で私を見ている。




「帰って来てくれたんだ?」


感情のない、その声。



私が思っていた以上に、この人は壊れている。



「もし、またナツキが死にたくなったら、
今度は私が一緒に死んであげる」


私はナツキを救えないと思う。


だから、その時は、と決めた。



‘ーー別に一緒に死ぬ相手なんか、誰でもいいしーー’



病院でそう言ったナツキの言葉が、とても悲しかったから。


私はこの先もナツキを愛せないけど、
一緒に死ぬ事は、この人の為ならしてあげられる。


「お前って、ほんとバカでしょ」


そう言ったナツキは、ほんの少しだけ、
感情を取り戻したように見えた。


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