LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「ナツキ酷い!
須田がわざわざナツキの為に買って来てくれたのに!」


此処に戻って来て初めて、ナツキに対して感情的に怒鳴ってしまった。



「わざわざって。

ここのマンションから歩いてすぐにある店だから」


「そう言う事を言ってるんじゃなくて」


「なんか、不愉快だったから。
そのチーズタルトも、ケイも」


「須田はナツキの事心配して来てくれたのに?
なんでそんな酷い事言うの?
ナツキらしくない…」


その言葉は、本当にナツキらしくないと感じた。



ナツキが本当は強がっていただけの弱い人間なのだとしても、
そんな酷い事を言う人ではない。


「広子にはそんな風に見えた?
ケイが俺を心配してって」


ナツキは私をそうやって、嘲笑う。


「ケイは、こうやって弱ってる俺を見に来て、笑ってんの。
心配する振りして」



「どうしたの、ナツキ?

須田がナツキを慕っていた事は、私よりもナツキの方がよく知ってるじゃない」



どれくらいの期間かは知らないけど、
ナツキと須田はこの部屋で暮らしていた。


ホストの先輩後輩として。


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