LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
7月になっても、状況は変わらない。



7月10日、ナツキは25歳の誕生日を迎えた。


特に、何もしなかった。



クリスマスのトラウマからか、
私はナツキに何かをプレゼントする事が怖くて、出来なかった。


ケーキだけでも、と思ったけども、
バースデーケーキを見たら、篤と別れた日の事を思い出してしまう。


それに、今の私達は、
そんな風に誕生日を祝おうみたいな空気じゃない。


「ナツキ、誕生日おめでとう」


「ありがとう」


その日の朝。


いつものように、ソファーの横に座るナツキに、そう声を掛けた。



7月23日、私の二十歳の誕生日。


きっと、ナツキはそれを覚えてくれていると思うけど、
おめでとう、の言葉すらくれなかった。


もしかしたら、一年前を思い出したくないからかもしれない。


去年の私の誕生日は、
私の部屋で、ナツキと涼雅、そして篤。


三人が祝ってくれて、とても楽しくて嬉しくて、幸せだった。


私の二十歳の誕生日は、誰にも祝われず、終わった。


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