LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
『けど、私よりあんたの方が詳しいんじゃないの?
社長とデキてたんでしょ?』


「モモさんの言うように、何かあったのは有りましたけど。
でも…」


『そっか。あんた篤ともデキてたね。
一時期事務所で話題だったから。
あんたに手を出した篤が怒った社長に、理不尽に解雇されたって。
社長、嫉妬深そうだもんね』



何処まで私と成瀬の関係が知られているのかは分からないけど、
聞いてる感じ、モモさんだけじゃなく、みんな知ってるんだな。


『でも、あんた篤捨てて、また社長とより戻したって聞いたけど。
篤から』


篤の名前が出て来て、篤はあの会社を辞めてからも、そうやってモモさんと連絡を取り合っていて。


それは、きっと…。



「モモさんも、篤に引き抜きの話をされたんですか?」



『えっ、ああ。
そうそう。だから、私もうあの事務所じゃないの。
来月、名前変えて再デビューするから、また広子もチェックしてみてよ』


そうあっけらかんとしていて。


なんだか、悲しいような許せないような気持ちが湧く。


「モモさんは、成瀬さんをそうやって平気で裏切れるんですね?」



『裏切るも何も、別に私は社長に恩なんかないし。
なら、条件がいい方行くでしょ?』


私は成瀬に色々と助けて貰ったけど、
モモさん達からしたら、成瀬はただの社長なだけで。


それどころか、良く思ってすらいないのかもしれない。



‘ーーあんた、私らAV女優を食い物にしてるくせにさーー’


成瀬に、そう言ったモモさん。


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