LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
付いて来て、とその斗希さんに言われ、喫茶店を出た。



私の横に斗希さんが居て、腕を掴まれている。


後ろには、須田がそんな私達に付いて来るように歩いて来ている。



いつか、篤の後輩が言っていた言葉が頭に蘇る。



‘ーー斗希さんが将来弁護士って、ある意味怖いっすよねぇ。
中学の時も篤さんと違って、裏で色々とバレないようにやってましたもんねーー’


この人は、怖い人なのだと。




一体何処に連れて行かれるのか…と思っていたけど、
たどり着いたのは、懐かしいその場所。



篤と私が一緒に暮らしていた、
アパート。


そして、部屋の前に篤も居る。



その篤は私服姿で、もう仕事が終わったのだろうか?




「斗希、お前何考えてんだ。
こいつ連れて来るから、俺に今すぐ帰って来いって」


その篤の言葉から、
此処に篤が居るのは斗希さんが篤に言ったからなのだと分かった。



「だって、篤が居ないとこの部屋入れないし。
早く鍵開けて」


斗希さんは私の腕から、その手を離した。


「篤、此処で話すのもあれだし、
中で話す方が俺もいいと思うけど。
外だと声響くし」


そう言ったのは、須田。


篤は諦めたようにポケットからキーリングを取り出し、
部屋の鍵を開けた。


< 82 / 173 >

この作品をシェア

pagetop