LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「篤は、今でも広子ちゃんが好きだと思う。
本人は認めないけど」



「別に好きじゃねぇ。
俺が此処に来たのは、お前らがこいつに何かして、警察とかにパクられたら困るからだろうが!」


篤はそう怒鳴り返していて。


「俺はともかく、将来有望な斗希が、
そこまでバカな事するわけないの、篤も分かってる癖に。
その辺り、上手く悪い事するって」


そう言うのは須田で、私の腕から花子を取り上げる。


花子は甘えるように、須田の顔を見て、ニャア、と声を出した。


私が此処から居なくなり、須田もこの部屋によく来ているのか、
その花子の須田に対しての懐き具合でそう思った。



「広子ちゃん、少しでもまだ篤に気持ちがあるなら、
此処に戻って来てくれない?
俺昔から篤の事を知ってるけど、
こいつはこうやって素直じゃないから。
欲しい物を欲しいって言えなくて」


斗希さんは、私の目の前で床に膝を付き、
そして、頭を下げた。


「お願いします」

そう言って、土下座した。


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