LOVEPAIN⑦シリーズ全完結しました
「お前と別れてけっこう経ってから…。
モモさんから自殺未遂した時に、
あのイケメンホストが一緒だった事聞いた」


その言葉に、えっ、と篤の方を見た。



「あのすぐ後だろ?
お前が別れたいとか言い出したの。
で、お前はなんでかまたあのイケメンホストと一緒に居て。
お前や成瀬さんのあの態度…。
わざと俺を怒らせようとしたのか、って。
そうやって自分のいいように思う俺は、バカなのかもしんねぇけど…」




篤は、何故私が別れを切り出したのか、
なんとなく気付いているんだ。


そして、あの時の、成瀬の嘘も。


分かってて。


全て分かった上で、篤はもう私とはよりを戻す気はないんだ。



「成瀬さんを裏切って、そんな俺が、
今さらお前とどうこうとか思ってねぇし。
お前がどれだけ成瀬さんの事好きだったのか知ってるから、お前はそんな俺を許せねぇだろうし。
お前が俺よりあのイケメンホストが大切ならそれはそれで仕方ねぇし。
お前のその気持ちは、誰のものでもなくお前のもんだから。
他人がどうこう言う事じゃねぇだろ」


そう言ってくれる篤は、
もし、私がここで、本当は篤が一番大切で。


成瀬を裏切ったと知った今でも、
私は篤が好きでたまらないって言えば、
また私と付き合い、私を大切にしてくれるかもしれない。


だからこそ、私なんかがこの人と一緒に居ない方がいいと思った。


この人に、私はふさわしくない。



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