Ice Boy*モテ姫との恋*
「…ははっ!本当に企んでても、正直に企んでるなんて言わねぇだろ、普通!」


俺はなぜか笑ってしまった。


「笑った…♪」


琉威の言葉を聞いてすぐさま口を手で覆う。


高校生になって学校で笑ったの…初めてかも…。


「昂平、無理することなんてないよ?」


そう言う琉威の表情は心配してる感じ。


「さっきも言った通り、クールな昂平も好きだよ。けど…無理してるのは見たくないんだ。」


なにも言えなかった…。


やっぱり琉威にはわかってたんだ…。


俺は家の中の性格のほうが楽だって。


「さ、教室戻ろっか!もうすぐ本鈴だし!」


琉威は教室に向かってゆっくりと歩き出す。


「琉威…」


俺はどうしたらいいんだろう。


自分がもう悲しみなくないから…


やってること。


でもそれは子供の今しかできない。


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