Ice Boy*モテ姫との恋*
ちなみに、昂平とは俺のこと。


大和昂平[ヤマトコウヘイ]。


高3で琉威も同い年。


「今日の曲はわかったぜ!カノンだろ?」


自信満々に言う琉威。


「カノンは誰でも知ってるだろ?」


俺は冷たく返す。


「え…そうなん!?ちぇ~っ。」


そう言って唇をとがらせる。


そんな琉威の前を通り、


「さ、帰ろうぜ。」


スタスタと歩く。


「おう!」


俺がピアノを弾く日はいつも琉威が迎えに来てくれる。


でも俺は冷たく接する。


そんな俺の態度に琉威は何も言わない。


それは俺がこういう性格だから。


この性格は知っている人が多いらしい。


前に琉威が教えてくれた。




『昂平のこと、みんなアイスボーイって言ってるぞ?』


『アイスボーイ?』


『なんか昂平の態度が冷たいからだってさ。』



当時の会話が蘇る。


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