Ice Boy*モテ姫との恋*
「堺さん、得意なやつ流行りのやつ…どっちがやりたい?」


頭で考えたことを言った。


俺は堺さんがどちらかを選んで答えると思っていた。


しかし、返ってきたのは驚きの答えだった。


「あの…先輩は作曲できます?」


さ…作曲!?


「ん…まぁ、ちょっとは勉強したことあるけど。」


高校に入ってから俺は作曲の勉強もちょくちょくしていた。


放課後に弾いて、琉威にわからなかった曲はたいていオリジナルだった。


「じゃあ、1曲はあたしが今流行りで好きなピアノ伴奏の歌があるんです。それと…オリジナルにしませんか?」


オリジナルってまさか…


「俺が作曲すんの?」


「はい!」


笑顔で言う堺さん。


…本当にか?


「じゃあ、作詞は誰がするんだよ?」


ピアノだけじゃ、堺さんのいる意味がない。


< 22 / 64 >

この作品をシェア

pagetop