Ice Boy*モテ姫との恋*
「堺さんはここに何しにきたのさ?今日は約束なかったはずだけど。」


「あぁ…詞ができたから見せにきてくれたんだ。」


俺は詞が書いてある紙を渡した。


琉威が詞に目を通す。


「堺さんが昔離ればなれになって、最近やっとここで再会できた幼なじみに伝えたい気持ちなんだってさ。それ。」


言ってよかったんだろうか?


「堺さんにもそういう人がいるんだ…。」


琉威がつぶやく。


「だから、俺…言ったんだ。『堺さんの想い、届くといいな。俺もそう願いながら曲作ってみるよ。』って。」


それでピアノに向かったんだ。


そのあといつのまにか堺さんがいなくなってて…。


「昂平がそんなこと学校で言うなんて珍しいね。」


にこっと笑う琉威。


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