Ice Boy*モテ姫との恋*
確かに…。


今思えばそうだ。


『まぁ、とりあえず曲つくってみるから。』


学校での冷たい俺なら、こんな感じで堺さんの気持ちなんて関係なく言ってたはず。


なのに、俺がした発言は素の俺がちょっと混じってた。


「昂平、堺さんに惚れちゃった?」


今度はニヤニヤ笑う琉威。


ほ…惚れ…!?


「んなわけないだろうが。」


俺は焦る気持ちを冷たい俺で押さえて言った。


でも…


「懐かしい感じがするんだ。」


なんとなく…懐かしい。


声とか…面影が…。


誰かはわからないけど、もしかしたら会ったことがあるんじゃないか?


って…実は少し思っていた。


「懐かしい…?」


琉威が首を傾げる。


「なんとなく…だけどな…。」


俺はそう言って帰る支度をし始めた。


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