Ice Boy*モテ姫との恋*
素が出ていることなんて自分で気づかなかった。


今の俺は琉威の家にいるかのよう。


「昂平…ここ学校…」


がっ…こう…


「あ…」


俺は呆然と立ち尽くす。


今俺がいるところは学校…


なのに俺は学校でいるべき性格なんかじゃなくて…


おもいっきり笑ってた…よな?


しかもクラス全員…


見ていた…。


ずっと父さんが死んでからやってきたことが、今くずれた。


「大和くんって…あだ名アイスボーイで冷酷なんだよね…?」


「みんな言ってたし…ね?」


「そうそう!俺らが話しかけてもいつも冷たくて…」


「しゃべるのは三枝だけ…」


口々につぶやいていくクラスのやつら。


そうだよ。


それが俺の学校での姿。


自己中心的な考えから始まった…偽りの姿。


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