Ice Boy*モテ姫との恋*
「昂平は俺がいとこだから仕方なしに一緒にいるって思ってた?」


俺は何も答えない。


事実だから…。


「そう…思ってたんだ。その通りだよ。昂平の言う通り、仕方なく一緒にいるんだ。」


琉威にしてはいつもより低い声だった。


俺から言い出したことなのに…


わかってたことなのに…


胸が痛い。


「じゃあ…」


琉威を解放する…。


「なんて言うと思った?」


琉威はいつもの声でそう言って、笑いながら走り出した。



…は?


「琉威!?」


俺は琉威を追いかける。


どういうことだよ!


「昂平、また明日な♪」


琉威はそう言い残し、自分のマンションへと入っていった。


…なんだったんだ?


俺はマンションを見上げた後、駅に向かって歩いた。



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