Ice Boy*モテ姫との恋*
「俺さぁ…」


窓の外の透き通った青空を見ながら、琉威は口を開いた。


「いとこだから昂平といるんじゃないよ?」


…は?


いとこだからじゃない…?


「嘘はいい。」


嘘なんか…いらない。


「嘘じゃないよ。俺、明るい昂平もクールな昂平も友達として好きだもん。」


友達として…


いとことしてじゃなくか?


「だから、俺は昂平と離れる気はない。わかったか!」


そう言う琉威は2倍近く大きく見えた。


だから…


「あ…はい。」


俺は思わず小さくなった。


「あ~あ。でもショックだったな~。そんな風に思われてたなんてさ。」


「…ごめん。」


そうだよな…


俺、何考えてたんだろう。


琉威のためとか言いながら、結局傷つけてるし…。


でもうれしかった。


琉威の気持ちが。


< 9 / 64 >

この作品をシェア

pagetop