放課後TLクラブ


「待てっていってるでしょう! 捕まえたらタダじゃおかないからね!」
 
ひいいぃぃぃぃっ!!

鬼みたいな顔のメイドさんがすぐそこまで迫っていた。


けど、大丈夫。


「みんな着いて来て」


あたしはみんなを連れて四階まで階段を駆け上がった。

行き先は唯一あたしたちだけが入れるあの場所。


「おい、あみ」


「もしかして」


「蓮も春音くんも気づいた?」


「「小さな教室!」」


「やっと気づいた? みんな焦りすぎよ」


リコちゃんが前に言ってたでしょ。
もしもの時はあそこへ逃げるのよ。

あそこなら、メイドさんは絶対に入ってこられないから完璧な隠れ家じゃない?


「それはまずいだろ」


「なんで?」


蓮があたしの腕を取って急ブレーキをかける。


「だって、あそこはTLクラブのメンバーしかはいれないんだぞ」


「そうよ。だから行くんじゃない。メイドさんは入れないでしょ」


「バカ……。ことりはどうするんだ」


「え?」


 ……。

 …………。


 ああああっっ! そうだった! 


 あたしったらなに考えてたの。ことりちゃんはTLクラブのメンバーじゃなかった!

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