放課後TLクラブ


そう言われてみれば、そうよね。どうして春音くんはその二つを用意するようにあたしたちに言ったんだろう。あたしと蓮がタイムリープして誘拐されることを伝えた時は犯人が誰かも知らなかったはずなのに。


「ああ、やっぱり気づいちゃったか」


え? なにが?

春音くんはちょっと残念そうな、でも嬉しそうな顔で立ち上がると、


「パーティーはここまでだね」


そう言って、むしゃむしゃとお菓子を頬張るリコちゃんを抱き上げた。


「どうして僕が、すべてを知っていたのか。答えは簡単なんだ」


すべてを、知ってた……? 

一体どういうこと?


「それはね」


それは?


「それはね。──あみ、蓮。ふたりがぼくに教えてくれたからだよ」


はい?


「おい、まさか……」


「そのまさかだよ蓮」


ええ、ちょっと、ふたりとも盛り上がってるけど、あたしは全然意味不明なんですけど!


「あみ。まだ分からない?」


「分かる訳ないよ! あたしと連は春音くんにすべてなんて教えてないもん」


「まだ、ね」


まだ?

< 106 / 108 >

この作品をシェア

pagetop