放課後TLクラブ
「それより翼ちゃんこそ何をしてるの? 帰らないの?」
「わ、私は……」
翼ちゃんは胸に抱きしめた箱をチラッと見ると、少し顔を赤く染めた。
「あれ、それってもしかしてプレゼント? そういえば今日は志門くんの誕生日だったよね。あ、それを渡すために残ってたのか~。そうか~志門くんモテるな~──って、痛っ! ちょっと蓮、なにするのよ」
急に戻ってきた蓮があたしのおでこを軽く叩いた。
睨んでやると、
「お前、演技下手か」
と、小声でお説教をしはじめた。
「わざとらしすぎるだろ」
「じゃあどうすればいいのよ」
【翼ちゃん告白実行作戦】の作戦その2は、志門くんを呼び出した場所へ翼ちゃんを連れていく、なのに。
誕生日の話をしないでどうやって連れて行くのよ!
「もうちょっと自然にできないのかよ」
「だったらお手本を見せなさいよ!」
「俺が!?」
「他に誰がいるのよ」
「普通、こういうのって女同士──」
「実はね」
蓮とゴニョゴニヨョやってたら、翼ちゃんが口を開いた。