放課後TLクラブ
「志門くんに誕生日プレゼントを渡そうか迷ってるの」
「もしかしてファンクラブのせい?」
翼ちゃんは首を横に振る。
「じゃあ、並んで渡すのがイヤとか?」
これもブンブンと首を横に振る。
「なら……、蓮のせい? ──あ、痛っ」
ちょっと冗談言っただけなのに、また蓮におでこをいじめられた。
むかつくのでもう一度睨んでやると、蓮も負けじと目を細めてくる。
とかやっていると、
「その時に告白しようかと思って……」
翼ちゃん自身から確信に触れてきた。
「すごくスキだから……だけどそれだと裏切ることになっちゃうの……」
裏切る?
え? どういうこと?
まったく話が見えてこない。
あたしは蓮と一時休戦して、頭を捻ってみた。
蓮も視線を斜め上に飛ばして、考え始める。
すごく好きだから告白したい。でもそれをすると裏切りになる……。
それはなんで? 誰を? ってなるわよね。
う~ん。なんだろう。
って悩んでたら、意外も意外なところから答えが出てきた。
「友達か。しかもそんなに悩むってことは親友……。青葉みずはか」
「え!?」
「ええええー!?」
あたしと翼ちゃんは驚いて蓮を仰ぎ見た。