放課後TLクラブ

「あみたちを探してたら偶然聞こえてきたの」


みずはは相変わらず怒っているのか顔が赤い。


「それより、どうしてちゃんと言ってくれなかったの翼」


「それは……だって先に」


「私が先に好きだって言ったから遠慮したの? そんなのズルイ!」


「だけど、みずはは本気で──」


「なら、翼は本気じゃないの?」


「私だって本気だよ!」


翼ちゃんの目に見る見る涙が浮かんできた。
それはみずはも一緒で瞳をうるうるさせている。

親友同士が同じ人を好きになっちゃうなんて、なんか悲しい。
二人は確か、幼稚園から友達で、すっと仲良しだったはずで、それなのに……。

二人は今にも泣き出しそうなのをグッと堪えているみたいで、歯を食いしばってる。


どうしよう。

こんな時、どうすればいいんだろう。

もし、あたしが親友と同じ人を好きになったとしたらどうするだろう。


あたしなら……。
< 38 / 108 >

この作品をシェア

pagetop