放課後TLクラブ
「あ、ああああ、あみ!? あれはあみ。あみはあたしだ!」
ちょ、ちょっとどういうこと! あたしはここにいるのに!
向こうからあたし自身がこっちに歩いてくるんですけど!
「れ、蓮! なにあれ。あたしっていつの間に双子になったの!?」
「そんなわけないだろ、あれはどう見てもあみ本人だ──新学期初日のな」
「新学期初日のあたし? ……あ、そうか! あたしたちがいまいるのは一昨日の朝なんだった」
ということは、向こうにいるのは一昨日の朝学校へ向かってるあたしで、ここにいるのが今日のあたし? 違う? 明後日のあたし?
……う~ん、なんかへんな感じ。
でも、そんなことより、
「まずいよ、蓮。タイムリープのルールにあたしは過去のあたしに会っちゃいけないってあったよね」
「ああ、もし存在がバレたら次元の狭間とかいう真っ暗闇に永遠に閉じこめられる」
「ど、ど、どうしよう」
一昨日のあみは鼻歌とか歌っててまだあたしたちに気づいてないけど、いま、あたしと蓮がいるのはまっすぐな一本道の途中。横道とかひとつもないのよ。隠れられそうな所がない。
「このままじゃ見つかっちゃう。──ちょっと蓮、聞いてる?」
「聞いてるよ。けど、どうすれば……」
どうしよう。頭脳担当の春音くんがいないのに大ピンチじゃない!
いいえ、バレたら暗闇でず~っとひとりぼっちになっちゃうのに、あたしと蓮のピーナッツぐらいの脳みそで考えるなんて大大大ピンチよ!
「おい、あみ。誰がピーナッツ脳だ」
「え、また頭で思ったこと口からでてた? でも、そんなことよりなんとかしなきゃ。一昨日のあみが来ちゃう」
「そ、そうだった。一昨日のあみが──って、ああ、そうか!」