放課後TLクラブ

うちなんてお母さんは蓮のお母さんに余計なことばっかり言うし、お父さんは休みの日いっつもゴロゴロしてるけど、それでも一緒にご飯は食べてるしたまにだけど遊びにも連れて行ってくれる。

全然会えなくなったらやっぱり寂しいかな。


「そんな日々が続くうちに、ことりには親の愛情が分からなくなってしまったんだ」


「愛情?」


「そう、親の愛だ。まったく相手にしてもらえない自分は必要とされていないんじゃないか。いらない子なんじゃないかってな」


「そうか。だから誘拐されたことにして親が心配するかを試そうとしたのか」


「……はい」


春音くんの言葉にことりちゃんは小さく答えた。


「じゃあ、ぼくたちはその邪魔をしてたってことになるのか」


「だから何度止めてもまた誘拐されちゃってたのかあ」


「犯人が本人じゃあ止めようがないもんね」


「何回も止めた、ですか?」


「え!? いやいや、それはこっちの話」


あぶないあぶない。あたしたちがタイムリープしてるのは内緒なんだった。


「そ、それよりこれからどうするの? また自分で自分を誘拐するの?」


「それはダメだ!」


「大悟、さん」


「さっきも言っただろう。誘拐はやりすぎだ。親の愛情を確かめたいなら他の方法を考えるべきだ」


うまく話はそらせたけど、それが問題よね。あたしたちはことりちゃんの誘拐を防ぎにきた訳だし、なによりこのままじゃことりちゃんが可哀想。

なんとかこの問題を解決しなきゃよね。

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