放課後TLクラブ


※※※


着替えを済ませて一階へ下りると、エプロン姿のお母さんが朝食の準備をしてくれていた。

ああ、良い匂い。……けど、それとこれとは別。ひとこと言っておかないとだわ。


「ちょっとお母さん」


「あら、おはようあみ」


「おはよう、じゃないよ。どうしてお母さんが起こしてくれないのよ!」


「蓮くんに他のお友達も迎えに来てくれたから頼んだのよ。お母さんみんなの分も朝ご飯作ることにしたから」


「あたしもう6年生なんだよ! 男の子に寝起き見られるの恥ずかしいんだよ! 女の子なんですからね!」


「あらあら、それならもう少し女の子らしくお淑やかになれるわね」


「うっ……そ、それは」


まずい、あたしが怒ってるはずなのに。なんか話の流れが変な方へ行きそう。


「あみ」


「は、はい!」


「ご飯、冷めないうちに食べてね」


「わ、分かった」


ふー。あぶないあぶない。みんなの前で怒られるところだったわ。


仕方ないので、あたしはちゃっかりご飯を食べているみんなとテーブルについた。


「それで、朝からどうしたのみんな」


両親共働きで、よくうちで一緒にご飯を食べる幼なじみの蓮だけならともかく。
春音くんや、まさかの大悟さんまであたしを迎えに来るなんて。


< 69 / 108 >

この作品をシェア

pagetop