政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
頼る有力者のいない新入生の私はどうしたらいいのかもわからず、とにかく謝ってその場を離れようとしたその時だ。
「私の腕を掴もうと伸ばした上級生の手が、ある男子生徒にぶつかったんですよ」
背が高く、彫刻のように端正な顔をしたその男子生徒は、氷のように冷たい切れ長の目で、ぶつかった男子生徒を鋭く睨んだ。
「もしかして、それが?」
はいと大きく頷いた。
その時の彼の目つきを再現してみせる。少し首を傾げ、顎を上げて、不機嫌そうに眉をひそめギロリと睨む。
「須王さまはこーんな感じで睨んだんです。絡んできた男子生徒は震え上がって逃げて行きました」
「きゃーー、なにそれ助けてくれたの? 騎士じゃん王子じゃん」
「いいえ違いますって。よく聞いてくださいよ? 結果的に助けてもらいましたけど、彼はただ歩いていただけなんです」
「そうなの?」
「はい。私がお礼を言っても、不思議そうに行ってしまいました」
「私の腕を掴もうと伸ばした上級生の手が、ある男子生徒にぶつかったんですよ」
背が高く、彫刻のように端正な顔をしたその男子生徒は、氷のように冷たい切れ長の目で、ぶつかった男子生徒を鋭く睨んだ。
「もしかして、それが?」
はいと大きく頷いた。
その時の彼の目つきを再現してみせる。少し首を傾げ、顎を上げて、不機嫌そうに眉をひそめギロリと睨む。
「須王さまはこーんな感じで睨んだんです。絡んできた男子生徒は震え上がって逃げて行きました」
「きゃーー、なにそれ助けてくれたの? 騎士じゃん王子じゃん」
「いいえ違いますって。よく聞いてくださいよ? 結果的に助けてもらいましたけど、彼はただ歩いていただけなんです」
「そうなの?」
「はい。私がお礼を言っても、不思議そうに行ってしまいました」