政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
「そういえば西園寺のイメージモデル、LaLaよね。彼女も青扇だ」
「よくご存じですね! そうなんですよ! 私の憧れの君。泣くほど好きなんですLaLa」
「あはは。紗空ちゃんのデスク、LaLaだらけだもんね」
そう。私のデスクにはそこかしこにLaLaの写真が貼ってある。スマートホンの待ち受けもLaLaだ。
キャッキャと楽しく過ごしたお昼休みが終わった時。「吉月ちょっといいか」と速水部長に呼ばれた。
「はい」
部長は近くに人がいないことを確認するようにぐるりと視線を動かしてから、小声で囁く。
「まだ正式な発表ではないが、吉月。君は十月から秘書課に異動になると思う」
「えっ? ひ、秘書課?」
「こらっ、声が大きい」
「あ、す、すみません」
どうしたって驚かずにはいられない。
毎年四月と十月は人事異動があるとは知っているが、いきなり秘書課とはどういうことなのか。
ふと、咲子さんの言葉が脳裏をよぎった。
『須王燎さん。十月からここで勤務らしいわ』
(まさか? いやいや。関係あるはずない)
「よくご存じですね! そうなんですよ! 私の憧れの君。泣くほど好きなんですLaLa」
「あはは。紗空ちゃんのデスク、LaLaだらけだもんね」
そう。私のデスクにはそこかしこにLaLaの写真が貼ってある。スマートホンの待ち受けもLaLaだ。
キャッキャと楽しく過ごしたお昼休みが終わった時。「吉月ちょっといいか」と速水部長に呼ばれた。
「はい」
部長は近くに人がいないことを確認するようにぐるりと視線を動かしてから、小声で囁く。
「まだ正式な発表ではないが、吉月。君は十月から秘書課に異動になると思う」
「えっ? ひ、秘書課?」
「こらっ、声が大きい」
「あ、す、すみません」
どうしたって驚かずにはいられない。
毎年四月と十月は人事異動があるとは知っているが、いきなり秘書課とはどういうことなのか。
ふと、咲子さんの言葉が脳裏をよぎった。
『須王燎さん。十月からここで勤務らしいわ』
(まさか? いやいや。関係あるはずない)