政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
「どうしてですか? 部長、なぜ私が?」
「初めからそのつもりで、君には特に厳しく指導をしてきた。君はよく頑張ったし、優秀だ。秘書課でも充分通用するスキルもある。自信をもって堂々と仕事をしてほしい」
特に厳しく指導をしてきたという部分には大きく頷けるけれど、問題はその前のセリフ。
「"初めからそのつもり"っていうのはどういう?」
「秘書課の女性社員は仕事がハードなせいもあってか、結婚や出産を理由に異動願いが出る事が多いんだ。だから急な引継ぎに備えておく必要がある」
「でもどうして私が?」
「それはもちろん、君は仕事ができるからだよ」
いくらなんでも信じられない。
「部長、それ、嘘ですね」
疑いの眼差しを向けると、いつも憮然としている速水部長には珍しく口元に笑みを浮かべた。
「じゃあ言い方を変えよう。私の厳しい指導に耐えて、弱音も吐かず君はよく頑張った。耐えられるようなら秘書課に推薦しようと思っていたんだ。去年結婚した女性から異動願いが出ていてね。ちょうど君がいいと思った」
「初めからそのつもりで、君には特に厳しく指導をしてきた。君はよく頑張ったし、優秀だ。秘書課でも充分通用するスキルもある。自信をもって堂々と仕事をしてほしい」
特に厳しく指導をしてきたという部分には大きく頷けるけれど、問題はその前のセリフ。
「"初めからそのつもり"っていうのはどういう?」
「秘書課の女性社員は仕事がハードなせいもあってか、結婚や出産を理由に異動願いが出る事が多いんだ。だから急な引継ぎに備えておく必要がある」
「でもどうして私が?」
「それはもちろん、君は仕事ができるからだよ」
いくらなんでも信じられない。
「部長、それ、嘘ですね」
疑いの眼差しを向けると、いつも憮然としている速水部長には珍しく口元に笑みを浮かべた。
「じゃあ言い方を変えよう。私の厳しい指導に耐えて、弱音も吐かず君はよく頑張った。耐えられるようなら秘書課に推薦しようと思っていたんだ。去年結婚した女性から異動願いが出ていてね。ちょうど君がいいと思った」