政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
宗方が正妻が断固反対していたそうですよと答えると、コウはうんざりしたように眉をひそめた。
「いやだねぇ、自分のことしか考えられないのか」
織田夫人は事件発覚直前織田社長と離婚し、娘の以知子と家を出たらしい。会社が窮地に陥ったというのに、しっかりと慰謝料の請求をしたというからコウの言う通りなんだろう。
「なんにしろ被害が最小限でよかった」と鈴木が言うと、コウがにやりと口元を歪めた。
「彼はね、学生のころ織田社長に目をつけられて織田以知子と見合いをさせられそうになったんだよ」
「それは災難だったな」
本気で言ったわけじゃありませんよと鈴木は笑うが、学生時代から彼は女よりも女の親に追い回されいた。百年に一人の逸材と言われていたし、資産家の跡取り御曹司ではないだけに、婿候補ナンバーワンだったのだ。
「そういえば、出張先で吉月紗空さんにお会いしました」
予想もしなかった鈴木の発言に驚いて、コーヒーを吹き出しそうになった。
「いやだねぇ、自分のことしか考えられないのか」
織田夫人は事件発覚直前織田社長と離婚し、娘の以知子と家を出たらしい。会社が窮地に陥ったというのに、しっかりと慰謝料の請求をしたというからコウの言う通りなんだろう。
「なんにしろ被害が最小限でよかった」と鈴木が言うと、コウがにやりと口元を歪めた。
「彼はね、学生のころ織田社長に目をつけられて織田以知子と見合いをさせられそうになったんだよ」
「それは災難だったな」
本気で言ったわけじゃありませんよと鈴木は笑うが、学生時代から彼は女よりも女の親に追い回されいた。百年に一人の逸材と言われていたし、資産家の跡取り御曹司ではないだけに、婿候補ナンバーワンだったのだ。
「そういえば、出張先で吉月紗空さんにお会いしました」
予想もしなかった鈴木の発言に驚いて、コーヒーを吹き出しそうになった。