政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
「彼女はとてもあなたを心配していたそうですよ」
(え?)
「そもそも、あの時あなたは、突き放したとしても必ず迎えに行く、そう心に誓ったのではないのですか」
宗方の声は次第に強くなっていく。
「吉月さんを守るためにしたことなんですよね!」
いつになく荒げた声に振り返った。
「なのに、いつまで呑気に憂鬱ぶっているんですかっ! 専務」
「ちょ、なんだよいきなり」
「吉月さんは今でも、あのブレスレットを外していなかったそうですよ。西園寺さんに確認しました」
「え? なんで、ブレスレットのことを?」
息を切らしかけた宗方は大きく息を吸い、キュッとネクタイを整えた。
「出張のたびにジュエリーショップを覗いていらしたくせに、何を今更。北海道で同じ部屋に泊まったことも知っています。言わなかっただけで」
全てお見通しってわけか。
「――午後の仕事はキャンセルしていいか」
宗方はようやく頬を上げて「了解です」と頷いた。
「明日もキャンセルしましょう。しばらく休んでいないのですから」
***
(え?)
「そもそも、あの時あなたは、突き放したとしても必ず迎えに行く、そう心に誓ったのではないのですか」
宗方の声は次第に強くなっていく。
「吉月さんを守るためにしたことなんですよね!」
いつになく荒げた声に振り返った。
「なのに、いつまで呑気に憂鬱ぶっているんですかっ! 専務」
「ちょ、なんだよいきなり」
「吉月さんは今でも、あのブレスレットを外していなかったそうですよ。西園寺さんに確認しました」
「え? なんで、ブレスレットのことを?」
息を切らしかけた宗方は大きく息を吸い、キュッとネクタイを整えた。
「出張のたびにジュエリーショップを覗いていらしたくせに、何を今更。北海道で同じ部屋に泊まったことも知っています。言わなかっただけで」
全てお見通しってわけか。
「――午後の仕事はキャンセルしていいか」
宗方はようやく頬を上げて「了解です」と頷いた。
「明日もキャンセルしましょう。しばらく休んでいないのですから」
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