政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
「いいのよ。新人ちゃんたちも仕事を覚えてきたから気にしないで。それより大丈夫? 秘書課、そんなに不安」
「はい。不安で不安で食欲もないです」
「元気だして、じゃあ今日は紗空ちゃんの好きなインドカレーにしようか」
「いいですね! チーズナン食べたい」
そんな話をしながら、エントランスホールを歩いていると、入り口の大きなガラスの扉が開き、中に入ってくる二人の男性のシルエットが目に映った。
男性でも女性でも、美しい人というのは遠くからでもわかるものだ。スラリと背が高いスーツ姿の男性は、ふたりとも手足が長く顔が小さく、人形のようにバランスがいい。
逆光でその顔はよく見えなかったが、颯爽と歩いてくる。
受付に向かうわけではなく、私たちが降りたばかりのエレベーターに向かっているので、toAの社員なのだろう。
それにしても随分と存在感を放っている。
視線を奪われながら道を譲る形で横にずれて歩き、近づいてくるうちに気づいた。
ふたりのうちの、少し前を歩く背が高い男性は、見覚えがある。
「はい。不安で不安で食欲もないです」
「元気だして、じゃあ今日は紗空ちゃんの好きなインドカレーにしようか」
「いいですね! チーズナン食べたい」
そんな話をしながら、エントランスホールを歩いていると、入り口の大きなガラスの扉が開き、中に入ってくる二人の男性のシルエットが目に映った。
男性でも女性でも、美しい人というのは遠くからでもわかるものだ。スラリと背が高いスーツ姿の男性は、ふたりとも手足が長く顔が小さく、人形のようにバランスがいい。
逆光でその顔はよく見えなかったが、颯爽と歩いてくる。
受付に向かうわけではなく、私たちが降りたばかりのエレベーターに向かっているので、toAの社員なのだろう。
それにしても随分と存在感を放っている。
視線を奪われながら道を譲る形で横にずれて歩き、近づいてくるうちに気づいた。
ふたりのうちの、少し前を歩く背が高い男性は、見覚えがある。