政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
三年と少し前、難関を突破して切符を手に入れ、私は文字通り狂喜乱舞して西園寺ホールディングスの門をくぐったはずなのに――。
配属されたのは、なぜかここ株式会社toA。
toAは旧財閥系総合商社スオウグループの医療系商社だ。
西園寺系でも傘下の企業でもなければゼネコンですらない。どう考えても物理的に隣というだけの会社である。
toAもまた難関中の難関、超がつく一流企業であるけれど、私が入社したかったのはここじゃない。
『toA? どうしてですか? どうして私だけそんな別会社に?』
『実績を出せばここに異動になるだろうから、とにかくtoAで頑張りなさい』
西園寺ホールディングスの人事部長は言葉を切り、作り笑顔で席を立った。
一体なぜ? 狐につままれたような気持ちを抱えたままtoAへ来て、同じく聞いてみた。
『あの……私はどうして御社に来ることに』
するとtoAの人事部長もまた口元だけで笑みを浮かべた。
配属されたのは、なぜかここ株式会社toA。
toAは旧財閥系総合商社スオウグループの医療系商社だ。
西園寺系でも傘下の企業でもなければゼネコンですらない。どう考えても物理的に隣というだけの会社である。
toAもまた難関中の難関、超がつく一流企業であるけれど、私が入社したかったのはここじゃない。
『toA? どうしてですか? どうして私だけそんな別会社に?』
『実績を出せばここに異動になるだろうから、とにかくtoAで頑張りなさい』
西園寺ホールディングスの人事部長は言葉を切り、作り笑顔で席を立った。
一体なぜ? 狐につままれたような気持ちを抱えたままtoAへ来て、同じく聞いてみた。
『あの……私はどうして御社に来ることに』
するとtoAの人事部長もまた口元だけで笑みを浮かべた。