政略夫婦の愛滾る情夜~冷徹御曹司は独占欲に火を灯す~
なんでも真面目に突き詰めていけば無駄にならないものだ。前向きになると勉強するだけでも楽しくなってきた。この席にひとりでいるのも慣れてきたし、案外このままがんばれると思えて。――それなのに。
私がよくても、上司が私を嫌いならどうしようもない。
「はぁ……」
今朝。
私は確信した。
『おはようございます』
『おはよう』
いつからだろう?
専務は私の席を少し避けるようにして通り過ぎる。
ここ数日気にして見ているのだから勘違いではない。専務は廊下を曲がった時から、明らかにこのカウンターデスクを遠巻きにして歩いてくる。
最初の頃はそうではなかった。
(私、避けられるほど嫌われるようなことしたかな?)
仕事は変わっていない。あいかわらず須王専務や来客にコーヒーやお茶を出すだけだ。これ見よがしに嫌われるほど重大なミスを犯す機会もない。それなのに。
さすがにこれはもう。
(ここらへんが限界かなぁ)
私がよくても、上司が私を嫌いならどうしようもない。
「はぁ……」
今朝。
私は確信した。
『おはようございます』
『おはよう』
いつからだろう?
専務は私の席を少し避けるようにして通り過ぎる。
ここ数日気にして見ているのだから勘違いではない。専務は廊下を曲がった時から、明らかにこのカウンターデスクを遠巻きにして歩いてくる。
最初の頃はそうではなかった。
(私、避けられるほど嫌われるようなことしたかな?)
仕事は変わっていない。あいかわらず須王専務や来客にコーヒーやお茶を出すだけだ。これ見よがしに嫌われるほど重大なミスを犯す機会もない。それなのに。
さすがにこれはもう。
(ここらへんが限界かなぁ)