王子と姫の狂おしい愛
「え?でも、小夜。
ここは女性ばかりだから、さすがに……」
「だって、椿姫と二階堂さんは二人でひとつだし。
学生の時から、そうでしょ?
ね?二階堂さん!一緒しましょ?」
小夜は二階堂の椿姫への想いを知っている。
ウインクして、二階堂を見た。

「皆様がそうおっしゃるなら……
よろしいですか?椿姫様」
「みんながいいなら、いいよ」
「では、失礼します」
椿姫の横に座る、二階堂。

「でも、私は二階堂さんと結婚すると思ってたなぁ」
「え?」
小夜の言葉に、椿姫と二階堂は声がハモる。
「もう、小夜!」
「だって、二階堂さんも物凄く素敵でしょ?
十分、椿姫とお似合いよ(笑)?」
「そのようなこと…////」

【色んな奴が俺達の邪魔をしようとしてる】

「私は琥珀がいい!
琥珀じゃなきゃダメなの!!?」
つい、声をあらげてしまう椿姫。

「え?椿姫…?」
驚いたように、椿姫を見る一行。
「はっ…!?
ごめんなさい…」
「あ……ご、ごめんね…椿姫。
私、そんなつもりで……」
「椿姫様?」
「あ……ごめんなさい…」
俯く、椿姫。

「それにしても、ここはほんと…人気なんですね!
スイーツも可愛らしいし…!」
「え、えぇ…!そうですね」
「私、ここのパンケーキ楽しみにしてたんだぁ」
二階堂が咄嗟に話を変え、なんとかさっきの雰囲気に戻す。
「ほら、椿姫様も楽しみにされてたでしょ?
食べましょ?」
「うん…」

そんな時だった━━━━━━
ザワザワと店内が、ざわつきだした。
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