王子と姫の狂おしい愛
一時間程、ハーブティを飲みながら話をした椿姫と彩姫子。
「あら、もうこんな時間ね……」
「えぇ…お母様、早くお休みにならないと明日はパーティーですよ?」
「そうね……でも、もっと早く椿姫が帰ってきてたら、こんなことにはならないのよ」
「そうですね。ごめんなさい……」
「あ…でも椿姫が悪いんじゃないわ。琥珀さんが悪いのよ。椿姫を離そうとしないから……
明日、湯王さんにはきつく言っておくわね…!」

それから彩姫子と挨拶し、やっと自分の部屋に戻った椿姫。
スマホを見ると、数十件以上琥珀からの着信があった。
すぐかけ直す。
「椿姫!?何してたんだよ!?なんで出ないの!?」
と凄い剣幕で、言われる。
「ごめんね…お母様に捕まってたの」
「またあのババァか……」
「もう!琥珀!やめて!私のお母様よ!?」
「あ…ごめん……つい…」

こうゆう会話もほぼ毎日のことだ。

「ねぇ…明日、どんなドレスで来るの?」
「んー、内緒…!」
「どんなものでも、椿姫は似合うからいいんだけどさ、あんまり胸が開きすぎるとか、丈が短いとか、背中が開きすぎてるとかは、やめろよ!」
「うん…大丈夫だと思うよ?」
「だったら、いいけど……」
「そうゆう琥珀だって、いつも素敵で目を惹いてるじゃない?」
「俺はいいの!」
「どうして?」
「椿姫以外興味ないし、そもそも見えてないから」
「………変なの…」
「変で結構!だって、ほんとに椿姫しか見えないから。
だから…椿姫も俺しか見ないで?」

琥珀はいつもこうやって、甘えるように椿姫を束縛するのだ。
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