王子と姫の狂おしい愛
嫉妬心
「ほんとは来年度からの副社長就任だって言われてたんだけど、もっと早くてもいいって話が出てるんだ。
そしたら、もっと早く椿姫を迎えに行けるよ!
俺、頑張るから」
「琥珀は強いね…私にはもったいない……。
私は何もできてないのに。
色んな人に助けてもらってばかりで……」
また、涙が溢れてくる。
その涙を拭ってくれる、琥珀。

「椿姫はただ、俺だけのことを考えてくれたらいい。
ただ…俺だけを……
それでそれまで、こうやって毎日抱かせてよ?
椿姫はここにいるって、毎日感じたいから」
「うん…」

あとはただ、欲望のままお互いの存在を確かめ合うように、抱き合った。

結局夕食も食べないまま、抱き合った二人。
「椿姫、腹空かない?」
「私は大丈夫。琥珀、食べてきていいよ?
身体動かないし、ここで横になってるから」
「うーん。じゃあ…そうしようかな」
「うん、ゆっくりしてきて?
起きて、待ってるから…!」
「わかった」
琥珀は椿姫の額にキスをして、ベットを下り部屋を出た。

琥珀がいなくなった部屋で、ベットの上をゴロゴロしていた椿姫。
しばらくゴロゴロして、シーツを身体に巻いてベットを下りた。
部屋の中をうろうろしていると、
「……っつ…痛い!」
何かを踏んでしまう。
踏んだ物を確認すると、ピアスだった。
「ん?琥珀の?」
後から渡そうと、テーブルの上に置いた。
そこへ、川下が部屋に入ってきた。
「失礼致します。
紅茶をお持ちしました」
「あ、ありがとうございます。
すみません…こんな格好……すぐ服着ます!」
シーツを取った椿姫の身体には、キスマークがたくさんついていた。
それはそれ程、琥珀に愛されていることを示していた。
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