意地悪な部長と私
しばらくして、一件の高級そうな料亭についた。


まさか、ここ?

高そう…私でも払えるだろうか…?


「どうした?行かないのか?」

「あ、いえ。すみません」


恐る恐る部長について行く。

料亭に入ると、ロビーですら豪華で綺麗なお姉さんたちが私たちを出迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、寺島様。お久しぶりでございます」


もしかして、行きつけ?

今、寺島様ってお久しぶりでございますって言ってたよね?

車といいこのお店といい、いいとこのぼっちゃんだったり?


なんて考えていた。


「あぁ。2人、今から入れるか?」

「はい、大丈夫でございます。では、こちらへ」


そう言って、私たちを案内してくれるお姉さん。

部長のことが好きなんだって伝わってくる。

だってさっき、私をギロリと睨んできたから。
< 10 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop