意地悪な部長と私
事が終わりしばらくして、ようやく部長の機嫌が治りかかっていた。


「で?なんの用でこんな遅くなった?」

「あ、えっと…」


そうだ、相談しなきゃいけないんだ。

でも、今相談すると…

考えただけでゾッとする。


間違いなく、1回はまた押し倒されるに違いない。

だけど、このまま黙ってるのもきっと逆効果なのはわかっている。


はたして、どうしたらいいことやら。


「なんだ、早く言え」

そうですよね〜。

言わなきゃいけないですよね…


意を決してお姉ちゃんに相談したことを、また部長に相談した。

部長は、怖い顔しながらも聞いてくれる。


不安そうな私を抱きしめながら。


「……______ってことがあって」

「そうか。で?なんで、先に俺に言わなかった?バカか?」


あれ?想像してたのと違う。

怒ってはいるけど…なんか、冷静というか…


「心配かけたくなくて…」

「黙ってて不安がられてる方が心配する」


確かに、そうなのかもしれない。

部長のことなら…
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