意地悪な部長と私
私はどうしたらいいの?


もちろん部長を守りたい。

だとしたら、答えなんて一つしかない。


でも、離れることは嫌だ…

ずっと傍にいれる方法なんてあるのだろうか。


バカな私にはその方法なんて思いつかなかった。

だから…選択肢などない。


私は部長と別れることを決めた。

悲しい。すごく悲しくて辛い。


こんな卑怯なことしか出来ない平井賢人にも腹立たしい。

でもそんなことよりも、こんな方法でしか部長を守れない自分に一番腹立たしかった。


きっと部長なら、色んな方法を思いつくと思う。

でも、部長に頼りっきりはよくない。

私も部長を守りたい。


愛してるから。


ごめんなさい。

こんな方法で貴方の傍からいなくなることを、許してください。


私は部長に手紙を書いた。

きっとこれを読む頃には、私はこの家に…部長の傍にはいない。


「好きです…」


好きだと呟いたって返事してくれる人なんていない。

でも、言いたかった。


私は泣きながら自分の荷物を整理していく。

部長に買ってもらった服、どうしよう。


でも、手元にあると悲しくなる…

そう思い、持っていくのをやめた。


そして纏めた荷物を持ち、この家を後にする。

もう、この家に戻ることもないし部長に会うこともないであろう。


目に焼き付けてお別れをした。
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