意地悪な部長と私
「痛そうな顔してるな」

「殴りたきゃ殴ればいい」

「強がり言ってられるのも今のうちだ」


そう言いながら乱暴に私を触ってくる。

気持ち悪いけど、部長を守るためならこんなの耐えられる。


痛くたって気持ち悪くたって大丈夫。


気持ちはそう思っていても、体は違うみたいだけど。

気づいたら私は泣いていた。


痛くて?気持ち悪くて?

部長と別れたから?


なんで泣いてるかなんて私にはわからない。

でも、なんか泣きたくなる。


色々と辛くて。


「その泣き顔そそるわ」

意味わかんないこと言う平井賢人なんてどうでもよくて、ただ泣きながら思い出すのは部長のこと。


部長ならきっと、私が泣いてるときは優しく抱きしめてくれた。

抱きしめながら「大丈夫」って言ってくれた。


もう抱きしめてもらうのも、大丈夫って言ってくれることもなくなった。

それを思うと余計涙が出てくる。


泣いてる私を他所に、平井賢人は乱暴に私を触り犯されてしまった。

もうどうなったっていいや。
< 119 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop